ヌルいノミネートに喝ッ! ナックルズ的裏流行語大賞【7】

17年に勃発した、横綱・日馬富士による、貴ノ岩殴打事件。貴ノ岩の師匠である、貴乃花親方は、日本相撲協会の対応を不服として、18年3月9日に内閣府に告訴状を提出した。
ところが、同18日になって、弟子の十両・貴公俊が付け人に暴行を働いていたことが発覚。師匠としての責任を痛感し、告発状を取り下げる意向を明かした。
「それまでは、協会との対決姿勢を崩そうとしなかった貴乃花親方でしたが、今後については『(協会の)一兵卒としてやっていく』を何度も繰り返し、改心して協会と対立せず弟子の育成に努めていくことをアピールしていました」(スポーツ紙記者)
結果、この「一兵卒」がネットのトレンドワードとして急上昇したのだった。
それまで、八角理事長の前でも反っくり返り、ガンを飛ばしていた貴乃花親方が、改心をアピールせざるを得なかったのは、やはり事態の重大性からも仕方のないことだったようだ。
「貴ノ岩を暴行した横綱が、引退・廃業に追い込まれた後で、貴公俊にも引退の可能性がありましたからね。貴乃花は身を呈して、二十歳の弟子を守ったわけです。その結果、貴乃花親方は役員待遇委員から平年寄へと降格となり、自身が代表を務めていた貴乃花一門から離脱し、無所属となることを表明。貴乃花一門は消滅することとなりました」(同前)
これが、10月の相撲協会退職へとつながっていったわけである。
「所属一門が決まらず、退職を決意したわけですが、要するに、あれほど自分に言い聞かせるように繰り返した“一兵卒”としてはいられなかったということ。また、貴ノ岩殴打事件の協会の対応には、やはり全く納得していなかったということでもある。しかも、貴乃花一門でともに協会改革を目指していた、阿武松親方(元益荒男)が、『一門に入って一緒にやっていこう』と再三にわたって貴乃花親方の説得に務めていたことを、“協会からの圧力”と曲解しての退職だった。
しかも、弟子たちの移籍先となる千賀ノ浦部屋の千賀ノ浦親方にまともな話もつけていないまま、会見を開いたことも分かっている。そのあまりに未熟で独善的な人間性と、社会人としての非常識さが浮き彫りになり、それまで貴乃花親方に肯定的な立場であった関係者たちも、ドン引きしていました」(相撲ジャーナリスト)
現在、テレビ進出が目立つ貴乃花だが、今後で注目されているのは、政界進出の噂である。
「本人は、『ありません』と否定していますが、退職直後の馳浩元文科相訪問でもわかるように、色気は十分。永田町には、依然、『安倍首相とも極秘に会っており、19年夏の参院選出馬へと調整中』という噂が消えていません。現在のテレビでの不自然なまでの笑顔、全国各地への後援会への挨拶回りは、そのための地ならしと考えると分かりやすい」(前出・スポーツ紙記者)
というから可能性は十分。
だが、貴乃花部屋解体で千賀ノ浦部屋に移籍した貴景勝が、いきなり十一月場所で優勝争いを演じているのは、なんとも皮肉な話。指導者としてもどうだったのか疑わしくなってきた貴乃花が、政治家に向いているとはとても思えないのだが、来年、その動きはより活発になっていくことは間違いなさそうだ。(でんぱた豊作)

Leave a Reply

Your email address will not be published.